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令和5年度 スマートアイランド推進実証調査が始動~電気興業が開発したAIエンジンを活用し、離島の課題を解決~

電気興業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:近藤忠登史)は、国土交通省が実施する、離島地域が抱える課題解決のためにICTをはじめとする新たな技術等の離島地域への実装を図る「スマートアイランド」の実現を推進する事業に参画いたしました。

本調査は、当社、岡山県笠岡市、株式会社エイト日本技術開発、株式会社システムズナカシマ及び真鍋島いのしし駆除グループより構成されるコンソーシアムにて実施されます。本コンソーシアムにて提案された「岡山県笠岡市真鍋島におけるイノシシ駆除」事業が採択され、9月19日の住民説明会の後に実証事業が始動いたしました。当社は、昨年の新潟県粟島浦村で実施されたスマートアイランド推進実証に続き2年連続の参画となります。

【真鍋島で本実証調査が行われる背景】

真鍋島は、瀬戸内海中部にある笠岡諸島に属し、本州から11㎞、四国から9㎞に浮かぶ周囲7.5㎞の小さな離島です。10年ほど前は1 頭もいなかったイノシシが、本⼟から海を泳いで渡って島で繁殖し、農作物等の被害が急増するだけでなく、住宅地にも出没することで島⺠の⽣活を脅かしております。本コンソーシアムでは、ICT等新たな技術を駆使して「イノシシが一番住みにくい島」の実現を目指しています。

【概要】

離島に生息するイノシシの生態を把握するため、株式会社イーラボ・エクスペリエンスの屋外型乾電池式 IoT対応定点カメラ※1を島内12か所に設置し、カメラから携帯電話網で伝送された映像を自社開発したAIエンジン※2で解析します。

なお、本コンソーシアムではイノシシAIカメラの他にも鳥獣害クラウドシステム、ハンティングドローン※3による「巻き狩り※4」の実証も予定されています。

【今後について】

本実証調査で得られた知見を活かし、離島での鳥獣害対策の先進的モデルとして同様の課題を抱える地域への展開を図ってまいります。



※1 屋外カメラの長期運用には電源の確保が必要となりますが、屋外型乾電池カメラは市販の単一電池を24本使用して電源を確保することで約1年間の長期連続監視が可能となります。
※2 12台全てのIoT対応定点カメラから得られた映像を確認することは、慢性的な労働力不足の離島には負担が大きいため、得られた映像からAI判定によりイノシシをカウントする仕組みを開発します。
※3 イノシシが嫌う音(猟犬が威嚇する鳴き声)を発する装置を搭載したドローンでイノシシが潜む森林上空を飛行させ、イノシシを駆除場所まで誘導します。今回の事業では地域の方もドローンの操作訓練を行い、ハンティングドローンを地域に実装する試みが行われます。
※4 イノシシ等の獲物が生息する場所を多人数で囲い、徐々に範囲を狭めながら獲物を追いつめて射止める狩猟方法です。深刻な労働力不足が課題の離島で今回はドローンによりイノシシを追い詰める効果の検証が行われます。

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