電気興業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:近藤忠登史、以下DKK)は、低損失基板を採用し
たローカル5G向けのミリ波アンテナの開発に成功しました。
今回、信越化学工業株式会社(以下、信越化学工業)の石英クロスと低誘電樹脂を用いた新しい基板を採用し、電気
特性と機械強度を両立したアンテナを実現いたしました。
【開発したアンテナについて】
ミリ波用アンテナでは、伝送線路の損失や線路からの不要放射の影響を受け、アンテナ性能の低下が起こりやすくなります。
この性能低下には、アンテナの構造とアンテナを構成する基板材料が大きく影響します。今回開発したアンテナは、性能低
下を防ぐべく「立体的な給電回路構造」と「高性能な誘電体基板(石英クロスを使用)」を採用し、安定した性能を実現
しています。
【特徴】
・損失の少ない回路を実現
今回新たに採用した基板は、低誘電率・低誘電正接の特性を有するとともに、低粗度の銅箔に高い接着力を持
つため、損失の少ない回路を実現しました。
・小型の構造を保ったまま、不要放射の抑制が可能
多層化した基板の内層に、給電線路を立体構成することで、小型の構造を保ちつつ、不要放射の抑制が可能で
す。
・広帯域・高性能のアンテナの開発に成功
多層化した基板の内層に、給電線路を立体構成することで、アンテナ素子配置の自由度が増し、ミリ波において
も多様なアンテナが実現可能です。
【今後について】
本アンテナの開発成功により、これまで困難であった高周波帯(ミリ波帯以上)における安定した電気的特性を有するアンテナ
開発の実現が見えてまいりました。今後、Beyond5G や 6G において必要となる更に高い周波数帯においても、本アンテナに適
用した構造及び誘電体基板(信越化学工業が材料開発協力)の適用が期待されます。
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