環境

TCFD提言に沿った情報開示

【気候変動関連の情報開示(TCFDに基づく開示)】

当社グループは、2021年3月に、2030年を見据えたありたい姿「未来の当たり前をつくる企業(Pioneering the future)」の実現に向けたビジョン及び成長戦略である「中長期経営戦略」を策定しました。それをもとにサステナビリティ基本方針を定め、当社の課題としてマテリアリティ(重要課題)を掲げ、各種KPI達成に向け取り組み、中長期的な企業価値向上を目指しております。また、2022年5月20日に、「中長期経営戦略」のビジョン達成に向けて、2023年3月期からの3ヵ年における目標及び注力、推進することを明確化するために、中期経営計画「DKK-Plan2025」を策定し、基本方針を「サステナビリティ経営の推進による企業価値の向上」と定め、社会課題の解決を通じた持続的な成長を実現してまいります。

当社は、気候変動の課題に対する取り組みを強化するため、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同を表明いたしました。また、本資料でTCFD提言において推奨されている「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に関して開示するとともに、2019年度から2021年度までのScope1、2についても合わせて開示いたします。今後、気候変動関連のリスク及び機会については、中期経営計画「DKK-Plan2025」の具体的施策にも組み込み、Scope3の捕捉についても取り組みを進めてまいります。カーボン・ニュートラルをはじめとした持続可能な社会の実現に向けて、グループ一丸となって取り組んでまいります。

【ガバナンス】

当社グループは、中期経営計画「DKK-Plan2025」の中で、5つのマテリアリティを特定し、取り組みを推進しています。その内の一つとして「環境経営の推進」を掲げており、TCFDに即した情報開示と、事業を通じた環境への貢献、及び環境に資する投資の推進を行っております。

環境経営の推進及び気候変動に係るリスク・機会の分析・マネジメントを行うため、2021年に委員長を代表取締役社長とするサステナビリティ委員会及び環境ワーキンググループを設置し、サステナビリティ基本方針に基づいた取り組みを推進しています。環境ワーキンググループで、グループ内の事業部門、本社機構、グループ会社と連携し、気候変動リスク・機会の事業戦略への落とし込みや気候変動関連課題への対応策、管理指標及び目標の検討を行い、担当役員を通じて、全社内取締役及び執行役員等が参画する経営会議への共有、取締役会への報告を定期的に行っています。

【気候変動によるリスクと機会】

気候変動が当社事業・業績に与える影響について、TCFDフレームワークに基いて定性的な分析を行いました。

シナリオ

以下2つのシナリオに基づきシナリオ分析を実施しました。

  • 2℃シナリオ:低炭素経済へ移行するシナリオ
  • 4℃シナリオ:物理的気候変動リスクが高まるシナリオ

なお、分析の時間軸は基本的に移行リスクについては2030年、物理的リスクは2050年を基準としています。
(物理的リスクは2℃シナリオにおいても発生するものの、4℃シナリオにおいてよりリスクが高まると予想されるため)

対象範囲

DKK本社及び国内外グループ会社を含む、DKKグループ全体を分析対象としています。

特定した気候変動に関連するリスクと機会は次頁のとおりです。当社では引き続き、特定したリスクと機会に関して、財務インパクトの把握やリスク・機会への対応策の導出を進めてまいります。

【リスク管理】

当社グループは、気候変動に関するリスクの特定に当たり、環境ワーキンググループが中心となり、外部及び内部環境の変化を踏まえ、事業に与える影響度の高いリスクを識別・評価の上、サステナビリティ委員会への報告を経て、経営会議及び取締役会に報告しております。

また特定されたリスクのうち、短期的な顕在リスクについては、リスク管理委員会におけるコーポレートリスク管理とも統合し、グループ横断的に情報の集約と管理の強化を行い、リスクの発生頻度や影響の低減を図っていきます。

今後も気候変動リスクについて、サステナビリティ委員会で定期的にモニタリングし、適宜事業戦略の見直しを図るなど、長期的な視点で気候変動に関するリスクへの対応を行ってまいります。

【指標と目標】

当社グループは、マテリアリティに基づく重点取り組みとして、カーボン・ニュートラルを推進しています。カーボン・ニュートラル達成に向け、温室効果ガス(以下、GHG)の把握に努めております。スコープ1,2のGHG排出量については、温室効果ガス算定基準「GHGプロトコル」に準拠して算出しています。

主な排出は、工場において使用する電力で全体の約4分の3を占めております。特に高周波焼入受託加工において使用する電力使用による間接排出割合が多いため、今後省電力設備への切り替え、再生可能エネルギーの活用なども検討してまいります。加えて、サプライチェーンのお取引先様との情報共有を進めながら、当社グループにおけるスコープ3のGHG排出量の算定も進めてまいります。

今後も継続把握ならびに精度向上に努め、当社グループの気候変動に関する戦略策定とも併せて、2030年に2019年度比で30%以上(対象:Scope1,2)、15%以上(対象:Scope3)のGHG排出量削減を目標として、グループ一丸となって取り組んでまいります。

PDFは、以下リンクよりご覧いただけます。